『海の向こうが面白い」でも

邱は変換後の香港の見通しは明るいと
独自の見解を表明しました。

 

「中国の近代化の過程で香港の果たすべき役割は今後も続く。
それは限りなく社会主義に近づいた資本主義と、
限りなく資本主義に近づいた共産主義の
『翻訳機』の役割を果たすことである。
中国と近づきになる自由諸国の企業は
いきなり大陸に乗り込むよりまず香港に拠点をおく。
中国側としても、香港が海外貿易の最大の拠点だし、
農産物をはじめ国産品を大量に買ってくれるところである。
中国大陸にとってまたとない金蔓である。
そういう金蔓を自分らの手で断ち切って、
『さあ、11億人、皆で仲良く貧乏しましょう』と
いうことにはならないであろう。
とすれば、1997年に向かうにつれて、
香港の地位は益々重要となり、
その経済価値が増すことはあっても減ることは到底考えられない」
(『海の向うが面白い』平成2年)