「自分の書いた物を読者がどう評価するかは
著者の私が口をさしはさむことではないが、
私自身としては「日本人がなぜ世界一の金持ちになったか」
「金持ちになった日本人はこれから何をなすべきか」を
私なりに分析したつもりである。

特に、将来、
「日本を研究したいと考える
世界中の人々の日本を理解する手引書となれば」
というひそかな願いをこめて書いた。
はたしてその目的を達せられたかどうか。

日本の文化を知りたければ、
日本の経済の仕組みをよく知る必要がある。同じように、
日本の経済の発展してきた秘密を知りたかったら、
日本人の伝統的な思想や生活意識を知る必要があろう。
私にとってはこの上下二巻は私の経済原論であると同時に、
日本及び日本人に対する文明批評でもある。
世界中の人々が学ぶべきことが
この中に一杯詰まっていると私は考えている。」