またマンションとか、
アパートのようなものを持っていて、

月に三十万円くらい収入があれば、
年間三百六十万円の家賃があがる。

むろん、この中から固定資産税も払わなければならないし、
総合所得税の対象にもされるから、
まるまる収入になるわけではないが、
目減りをする金融商品と違って、
減価償却も計上できるし、
インフレ・ヘッジになる面もあるから、
ほぼ同じ六パーセント前後の利回りなら、
金融商品よりは有利だし、少なくとも、
現金性の預金と組合わせて考える必要があろう。

また不動産収入は物件を担保に入れて
長期資金で運用することができるから、
まだ果実をあてにしないでよい現役中に、
少しずつ返済をしていく方法もある。

この場合は、不動産収支のマイナス分を
他の所得から控除する節税法もあり、
ワンルーム・マンションのセールス・ポイントになっている。
更に、株式投資からの収入が考えられる。

株を売買したことによる
いわゆるインカム・ゲインは所得税の対象にならないので、
もし三百万円でも五百万円でも株で儲けることができたら、
それだけで家計はうんと豊かになる。
しかし、株をやってみればすぐわかることだが、
株ではなかなかお金は儲からない。
儲かるチャンスが全くないとは言わないが、
儲かるチャンスは損をするチャンスでもある。
十年もたって計算をしてみると、
売った買ったではなかなかお金にならず、
業績の抜群によい企業の長期にわたって
持続した分だけ株数が増えて資産総額が大きくなっている。
したがって今後とも、年々、持株は増えるだろうが、
売買で利益をあげることに過大な期待をしない方がいいだろう。

しかし、一銘柄当たりの配当金が一年に十万円をこえなければ、
二〇パーセントの分離課税ですんでしまうから、
分離課税の適用を受ける範囲内で株を持っておれば、
年間に百万円くらいの
配当金にあずかる可能性はないわけではない。
ただ平均利回りが一パーセント以下になってしまった日本の株式で
百万円の収入を得ようと思えば、
高利回りの電力株とかガス株などの公共性の強い株でも
買わなければならないし、
そんなやり方ではキャピタル・ゲインをたのしむ
株の本領に反するから、
配当所得だけでメシの食える可能性はきわめて低い。

しかし、それでも、節税のあの手この手を利用して、
収入の多角化をするとしないでは、
「中金持ち」への道のりに大きなへだたりができてくる。
サラリーマンも収入の多角化に頭を使う必要があるように思う。」