『貧しからず 富に溺れず』の
第13章の「ビッグ サラリーマンの処世術」の
なかで、邱先生は次のように書いています。

「サラリーマンの処世術の中で、最重要なものは人間関係である。

とすれば上司に認められることがその第一歩ということになる。

上司が幸運にも話しのわかる奴で、
仕事をしていても、酒を飲んでいても、
上手くウマが合えば、

幸運これにすぎたるはないが、
そうでない場合は、途端に頭を抱えてしまう。」

「攻略のテクニックは(中略)基本的には、
『意見は述べるが、逆らわないこと』が
相手の心証をよくする方法であろう。」

「どんなに正しい事でも、それに固執しないことである。」
「下っ端は自分の言うことを
聞いてくれる者を可愛がるのが人情であろう。

係長や課長に先ず可愛がられ、その推輓によって昇進の
第一歩を踏み出すことができれば、やがて人生の横町から
出世街道にとび出してくることができるのである。」

「課長になると、そろそろ派閥の荒波にもまれるようになる。
課長といえでも上司に認められることが、
出世の第一条件だから、直接社長に認められることに
こしたことはない。社長が創業者社長だったり、
ワンマン社長であったりすれば、なおさらのことである。」

「(戸田注『派閥についてだが)
サラリーマンとして出世しようと思えば

どちらかに徹底した方がよい。
会社に入って社内の事情に明るくなるにつれて、
自分が尊敬できる人とそうでない人との区別ができてくる。
その場合、自分が心酔できる人が現れて、
その人からも認められるようになれば、
その人と生死や浮沈を共にする覚悟をすることである。」

「もう一つの方法は、派閥からできるだけ遠ざかって、
その派閥からも中立を保つことである。
ということは、徒党と組まずに他人に認めてもらおうと
することだから、仕事本位に生きるよりほかない。

その場合、派閥のつながりは強くないが、
仕事を中心としたつながりをつくる努力をしているので、
案外人の協力をとりつけることができる。
社内ばかりでなく取引先とか、外部に対してもそうである。」

「そうしたつながりが内外に出来上がっているので、
仮に会社からとび出すようなことが起こっても、
そのまま外でちゃんと飯の食べて行けるネットワークが
いつの間にかできあがってしまっているのである。」

「といっても従業員の人が
すべてこれらの真似ができるわけではないし、

できない人は、また別の道を探さなければならない。
たとえば出世はしなくともよいから
仕事に喜びを感ずるとか、もっとお金に縁があるようになるとか、
道はいくらでも考えられる。」