邱は子供達に節約の大切さを伝えるとともに
贅沢するとはどういうことかも教えました

Qブックス版『子育てはお金の教育から』のまえがきで
贅沢の仕方を伝えることの要領も書いていいたと説明しています。

「もうひとつの主軸は、子供の金銭教育をする場合に、
節約することばかり教えないで、
贅沢の仕方も合わせて教える必要があるということである。
どこの家でも、子供が無駄遣いに馴れて、
金遣いが荒くなるのを怖れるあまり、
少ししかお金を与えないで、
乏しいお金の中でやりくりすることを強要する。
しかし、そういう教え方は
お金のないときのやりくりには役立つかもしれないが、
豊かさの中でのブレーキのかけ方を教えたことにはならない。
お金があるようになったら
途端に姿勢を崩して気がおかしくなることも、
充分考えられることである。
だから、お金を充分に供給して、お金があっても自制心が働き、
お金がセーブできるように習慣づける必要がある。
そのためには一年分か、半年分の学資を一ぺんに渡して
自分でコントロールするように仕向けることも大切である。

またお金がたくさんあったら、どのくらい贅沢ができるか
体験させることもいいことである。
贅沢に馴れれば、贅沢に対する欲求不満はなくなる。
同時に贅沢の限界も知ることができる。
それでも贅沢の方が節約より快適だと思えば、
贅沢のできるだけの経済的余裕を
自分の力で稼ぎ出す必要を感ずるだろう。
『必要は発明の母』だから、
結果として人はよく働くようになるだろうし、
従ってお金にも不自由しなくなるというのが私の考え方である。

子供たちに実地にお金の体験をさせることは、
どちらにしても必要なことである。
損をしたり、失敗をしたりするのも、
授業料だと思えば、そんなに惜しいことではない。
『あれも駄目』『これも駄目』といって、
子供を危険からすべて遠ざけようとするのは、
無菌室に子供たちを追い込むようなものである。
いつまでも無菌室にとどめておければかまわないが、
いつかは親も死ぬし、
親が死んでから黴菌のむしばむにまかせるくらいなら、
いっそ若いうちに免疫にしておいた方がいいであろう。」
(Qブックス版「子育てはお金の教育から』まえがき)