邱永漢が渋谷にあった自分のオフィスを人に貸し、
自宅に引っ込むのは昭和39年、41歳のことと推定されますが、
その前に、邱が執筆した作品について述べます。 

邱永漢は中央公論に孫悟空のことを
長期連載しましたが、昭和38年に
フレーベル館という児童図書の出版社から
「そんごくう」という絵本を発刊しました。  

この本の一番最後に
「さくし きゅう えいかん 
さっきょく いずみ たく」による『そんごくうの うた』
と題して歌詞と曲が掲載されています。  

「いずみたく」さんといえば
坂本九ちゃんの「見上げてごらん、夜の星を」とか
佐良直美さんの「世界は二人のために」を作曲した人ですね。

いずみたくさんが作った曲を転載することはできませんが
邱永漢の歌詞を紹介させていただきましょう。

「かぜは ひゅんひゅん
くもは すいすい
そんごくう そんごくう 
いしから うまれた そんごくう 
だれでも しってる ぼくは 
そんごくう  

かぜは ひゅんひゅん 
くもは すいすい 
そんごくう そんごくう 
にょいぼう かついだ そんごくう 
そらでも えっさえっさの ぼくは 
そんごくう  

かぜは ひゅんひゅん
くもは すいすい 
そんごくう そんごくう 
ばけもの やっつけろ 
そんごくう 
うちゅうの 
おうさま ぼくは 
そんごくう」