邱永漢が昭和34年1月に発行した
『金銭読本』には「日本料理は滅亡する」と題する
作品を収録しました。
この作品は邱が『婦人公論』昭和33年8月号
に執筆したものです。
「日本料理は滅亡する」という
かなりショッキングな名前のついた作品について
邱は次のように書いています。
「私にお金の話を最初に書かせたのも嶋中さんだし、
私に『日本料理は滅亡する』という文章を
書かせたのも嶋中さんであった。
私の家で食事をしているおりに、
私が『日本料理は高すぎて、
お金はあるが食欲のあまりないお年寄りと、
外国からの観光客の食べるものになってしまった』
と話したことがヒントになったのであろう。
おかげで私は金田中をはじめ、
一流料理屋のオヤジさんたちから
総スカンを食わされるような目にあった。」
(『邱飯店のメニュー』)
「日本料理は滅亡する」についての発言は
次回に続きます。