王育徳著『昭和を生きた台湾青年』(2011年・平成19年)

によると、台北高校尋常科入試の国語の問題で出題されたのは

下に記した文部省唱歌・鎌倉の前半部分で、

設問はこの大意を記せというのと、傍線をひいた単語の意味を

記せという二つだったそうです。

この唱歌の大意、あなたはどうでしょうか。

 

一、

  七里が濱のいそ傳ひ、

   稻村崎、名將の

   劒投ぜし古戰場。

二、

  極樂寺坂越え行けば、

   長谷觀音の堂近く、

   露坐の大佛おはします。

三、

  由比の濱邊を右に見て、

   雪の下道過行けば、

   八幡宮の御社。

四、

  上るや石のきざはしの

   左に高き大いてふ、

   問はばや、遠き世世の跡。

五、

  若宮堂の舞の袖、

   しづのをだまきくりかへし

   かへしし人をしのびつつ。

六、

  鎌倉宮にまうでては、

   盡きせぬ親王のみうらみに、

   悲憤の涙わきぬべし。

七、

  歴史は長し七百年、

   興亡すべてゆめに似て、

   英雄墓はこけむしぬ。

八、

  建長・圓覺古寺の

   山門高き松風に、

   昔の音やこもるらん。