今から34年前の昭和50年、
邱永漢さんは、日本経済新聞社から
『会社社会ニッポン』という本を発刊しました。

この本は、昭和49年から50年3月まで
「会社社会」と題して、日本工業新聞に
連載されてきたものです。

目次をひらくと次のように構成になっています。

1 「日本の工業化の秘密」
    ―日本人はグループ・アニマル

2 「日本丸は大丈夫か」
    ―あなたの会社だって安心ではない

3 日本の会社社会
    ―捨てたものでない日本の会社組織

4 どうなる日本の会社
    ―株式会社は減っていく?

5 エピローグ
    ーやはり会社あってのモノダネ

この本の末尾で、邱さんは
次のように執筆の意図を書いています。

「会社社会ニッポンは、
昭和49年から50年3月まで
「会社社会」と題して、日本工業新聞に
連載したものである。

『会社社会』というと、
上から読んでも『会社社会』、
下から読んでも『会社社会』になって、
たいへん愉快であるが、
どうも狙いがぼけてしまう心配がある。

今の社会構造は
『会社』を中核としてでき上がった社会であり、
そういう社会の出来上がり方に
メスを入れる目的からいえば、
『会社社会ニッポン』というのが
よいだろうというので、
本をまとめるに当たって、
『ニッポン』の四字を追加した」
(『会社社会ニッポン』あとがき)

この文章の続きは次回紹介します。