3回にわたる邱永漢著作の全集作品を紹介しましたので、
この機会に、これから数回にわたり、邱永漢著作を
分野別にわけ発行時期順に紹介することにしましょう。

それぞれの著作の詳細については以前、「ハイハイQさん」に
連載した「Qさんライブラリ」を参照ください。

濁水渓(S29.12.5 現代社)
処女出版 題字 佐藤春夫、帯 檀一雄 直木賞候補作品。

密入国者の手記(S31.2.29/現代社)
初の雑誌掲載作品「密入国者の手記」のほか
「検察官」「敗戦妻」「故園」「客死」を収める。

香港(S31.6.25 近代生活社)
お金万能の社会のなかで逞しく生きる人々を描く
直木賞受賞作品「香港」と「石」、「華僑」の2作品を収録。

刺竹(S33.6.28 清和書院)
短編小説集。檀一雄氏が激賞した「刺竹」のほか「毛澤西」「首」
「長すぎた戦争」「風のある日は」「見えない国境線」「韓非子学校」を収録

惜別亭(S33.11.10 文芸評論新社)
 短編小説集。戦後まもないアジアの各地で、たくましく生きる人々の姿を
鮮やかに描く「東洋航路」「惜別亭」「南京街裏通り」「海の口紅」「傘の中の女」「マネキン少女」「香港に死す」の7編の作品を収録。

誰が家の花(S34.2.25 講談社)
 婦人画報誌に連載した恋愛小説。

西遊記8冊(S34.03.10からS36.8/中央公論社)

『実力狂の巻』(第1巻)、『三蔵創業の巻』(第2巻)、
『出たり入ったりの巻』(第3巻)、『風餐露宿の巻』(第4巻)、
『色は匂えどの巻』(第5巻)、『経世済民の巻』(第6巻)、
『道遠しの巻』(第7巻)、最終巻の『ああ世も末の巻』(第8巻)

ズルきこと神の如し(S34.05 東都書房)
 日本人社会が登場するスポーツ新聞での連載小説。

被害者は誰だ(S35.8.1 光文社)
 唯一の短編推理小説集。「被害者は誰だ」「懲役五年」
「麻薬王」「恐喝者」「視線と刃物」「教祖と泥棒」の6編を収録。

女の国籍(上)(下)(S54.05.14. 日本経済新聞社)
 アジアの歴史を一人の女性の有為転変に託す小説。

たいわん物語(S56.07.10 中央公論社)

 24年にわたる亡命生活を終え、生まれ故郷、台湾と
日本の間を行き来するようになってから、
見聞きするようになったことをテーマにとりあげた10編の小説集。
「雨の台北」「翁小姐(オングシャオチエ)の持参金」「オンリー三代記」
「北投温泉の夜」「台湾慕情」「小姐(シャオチエ)東遊記」「おしどり太平記」
「奴隷婚」「連休の一等客」「アニマル綺譚」