昭和29年9月23日、佐藤春夫、檀一雄氏らに

14皿の料理が提供され、みな、それらを

ペロリと食べたが、佐藤春夫先生の健啖ぶりに

驚かされました。

 

「佐藤春夫先生ご夫妻と檀一雄さんを

はじめてご招待した当夜のメニューは、

次の通りである。

 

一、冷盆 おるどおぶる

二、炸子鶏 とりのからあげ

三、冬瓜盅 とうがんむし

四、野鶏巻 ぶたにくあげもの

五、炸蝦仁 えびいため

六、叉焼 にくのまるやき

七、合桃炒珍肝 くるみととりのもつ

八、白菜湯 はくさいのすうぷ

九、姜葱牛肉 ぎゅうにくいため

十、蒸魚 むしざかな

十一、湯麺 しるそば

十二、炒飯 ちゃあはん

十三、腐竹白果湯 ぎんなんのすうぷ

十四、生果 くだもの

 

うちの女房に、

千葉県の田舎から出て来たお手伝いさんがついて、

料理をつくり、食べる側は、

私も入れてたったの七人、それで

つぎからつぎへと出てくる料理を

十四皿もペロリと平らげてしまったのである。

 

私も大食いの方だが、

佐藤春夫先生の健啖ぶりにはまったく舌をまいた。

大食いといえば、健康で、長生きの人は、

たいてい、大食いの人が多い。

 

たとえば、蒋介石の片腕となって働いた張群氏は

一八八九年生まれだから、今年で九十四歳になるが、

現在も台湾で総統府資政として、

元気でいろんな会合に顔を出している。」

(『邱飯店のメニュー』)