ご紹介しましたように
邱永漢さんは「経済一等国 日本」(昭和56年3月)
日本人の国民性や日本的経営の特長
として次の七つのことを挙げました。
(1)「日本人はグループ・アニマル」
(2)「日本人は仲間はずれにされることを一番おそれる」
(3)「日本人は冒険より安全を選ぶ」
(4)「日本人は世界で一番読書をする国民」
(5)「日本人は完璧主義である」
(6)「日本人は物を教わる態度が立派」
(7)「日本的なコミュニケーションのよさ」
ふだん、私たちは日本人ばかりのなかで
生活をしていて、自分たちの特徴とかに
気をつけることはありません。
でも、一歩、海の外に出て
ヨーロッパや、アメリカ、あるいは、
タイ、中国、ベトナムなどアジアの国々を回ると、
彼我の対比から、我々日本人は
他の国の人には見られない特長をもっていることに
気づきます。
私がこの邱さんの文章を読んだときは
新日本製鐵の最新鋭工場、君津製鉄所に勤め
労務関係の課長をしているときでした。
当時、欧米の人たちに
日本企業の国際競争力が評価されるようになり、
私は次々に製鉄所を訪れる欧米の人たちに
人事とか労務とか給与の仕組みを説明しました。
こうしたことから、
私の中に「日本」あるいは「日本人」の
特長はなにかという意識が生まれ、
その関係で、邱さんの上記の文章に
目を通したのですが、邱さんの指摘を参考に
同僚や部下や上司を見ると、邱さんの指摘が
あまりに的確であることに驚きました。
邱さんは当代超一級の日本人観察家です。
邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。