邱永漢さん執筆した
「経済一等国 日本」(『香港の挑戦』昭和56年)で
日本人の特長として六つ目に挙げたのは
日本人が物を教わる態度が立派だということです。
「第六は日本人の物を教わる態度の
立派なことである。
このごろは『六尺 離れて
生徒に殴られないようにするというのが
教師の態度であるが、これは学校の生徒と
先生の関係であって、心底から勉強しよう
とする人の態度ではないということである。
日本人が白人崇拝じゃないかと思うほど
白人に弱いのは、明治以来、白人に学ぶべきものがあり、
白人を教師としてきたからである。
反対に東南アジアの人々に対して驚くほど
傲慢なのは、自分たちより下の人間で
学ぶべきものがないと思い込んでいるからである。
(中略)自分たちの前に、
自分たちがお手本にすべき教師がいるくらい、
日本人にとって楽なことはなかった。
日本人は研究熱心であり、親のやることは
たとえセキの仕方、腰のかがみ方だって
真似たいぐらいであったから、コーラを飲んで
ハンバーグを食べるような、
あまり上品でない物の食べ方まで
日本国中を風靡した。
こうしてアメリカから勉強できそうなことは
すべて勉強して、自分たちのものに
してしまったのである。
あと千円くらいたったら、アメリカに
コーラがまだ残っているかどうかは知らないが
日本人は物持ちがいいほうだから、
そのまま日本に定着して、
かっての茶の湯と同じように、
日本固有の飲み物として外国に
紹介されることだって考えられないことではないのである。」
「日本人は物を教わる態度が立派」との指摘
思い当たるところはたくさんありますね。
でも日本人自体豊かになりましたので
白人崇拝の度合いは弱まったのではないかと
感じています。
邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。