「経済一等国 日本」(昭和56年3月)
という論文の中で邱永漢さんは、
日本人の国民性や日本的経営の特長
として七つのことを挙げています。
私が読んで目が覚める思いがしたのは
その指摘です。
これから、邱さんが挙げられた
「日本人の国民性や日本的経営の特長」
を順次、確かめ勉強することにしましょう。
「まず第一に挙げられるのは、
日本人に特有のグループ意識であろう。
ヨーロッパの人たちは
日本人の商魂にすっかりあてられたので、
エコノミック・アニマルというニックネームを
進呈したが、東大の佐伯彰一教授にいわせると、
『エコノミック・アニマルでなくて、
グループ・アニマルといった方が正しいのである。
エコノミック・アニマルという修辞は
表面的なものであるのに対し、
日本人の内面的な観察からでないと
生まれてこない。
しかし、個人としての日本人は弱い存在であって、
国連における日本代表のスピーチをきくと、
またく何を言っているのかわからないような、
あたりさわりのないことばかりをしゃべっている。
それが一たび、集団として行動するようになると、
一糸乱れぬ秩序が保たれ、マスの威力がいかんなく
発揮される。
個がなくて集団の総意があり、
その総意が個人の規範となっているのである」
このあとにこのことについての
解説がありますので、次回にその紹介を
させていただきます。
邱永漢思想研究家。経営コンサルタント。問題解決・意思決定の研修講師。昭和18年3月生まれ。昭和40年、東京大学経済学部卒業。同年、八幡製鉄(現新日鉄)入社。平成6年、新日鉄部長を経て、研修業に転じ、現職。以来、邱永漢作品のエッセンス本『原則がわかれば生き残れる』、『アジアの曙』、『生きざまの探求』、『新・メシの食える経済学』(以上、グラフ社)を編集、解説。平成13年『あなたも賢者になれるー私は邱永漢さんの知恵を借りた』(グラフ社)を刊行。邱永漢思想の探求をライフワークとし、その一環として、各地でセミナーを開催。「株式投資の原則」などの通信セミナーも実施。