しばらくお休みをしていましたが、
久しぶりに、「続Qさんライブラリ」を書きます。

ところで、あなたは昭和56年に刊行された
邱永漢さんの『香港の挑戦』という本を
お読みになったことがありますか。

この本には三つの論文が掲載されています。

一つは香港の投資家が「片倉工業」という
日本の会社の株を買おうとしたのに、
野村證券からシャッタアウトを食らい、
これに異議を唱える香港の投資家の
言い分に耳を貸し、自身の考えを
開陳し、日本の経済界に物申した「香港の挑戦」。

二つは昭和47年から祖国台湾から
帰国を要請され、以来、台湾で実践した
事業活動のエッセンスを紹介する
「海外投資」。

三つが企業の国際競争力が
高まり、国際収支も黒字基調に転じ
経済大国と言われるようになった
日本の今後のあり方を述べた
「経済一等国 日本」。

いずれもタイムリーなことを話題にした論文で
「香港の挑戦」と「海外投資」は「中央公論」誌、
「経済一等国 日本」は「プレジデント」誌
に掲載されましたが、今日取上げたいのは
「経済一等国 日本」です。
この論文が発表された頃、
私は新日鉄の最新製鐵所、君津製鐵所で
労務、給与管理関係の課長をしていました。

この頃から、米国を中心に、
この製鐵所を訪れる人が多くなりました。
それらの人の質問の中には
日本企業における人事、労務、給与関係に
ついて質問も加えられ、私もかなり頻繁に
質問に答えるようになりました。

そのようなことを繰り返していると
これほどまでに、注目を受ける
「日本とはか、日本人とは何か」
に関心が向かいます。

そうした時期に、「経済一等国 日本」
を読み、目の覚めるような思いをしました。